物流センターの構築から運用まで最適化 IoTも活用し、継続的に改善を推進

ヤマトロジスティクス株式会社 様

導入効果:大型ソリューション
導入システム・製品:大規模ソリューション
業種:運輸・倉庫

導入効果
  • 「現地現物主義」で課題を把握&有事も考慮した提案で、配送を止めない仕組みを実現
  • 稼働後も改善提案を続け、システムの効率化を追求
岩本 剛仁氏

ヤマトロジスティクス株式会社
メディカルロジスティクスカンパニー
東日本メディカル主管支店
羽田メディカルセンター
アシスタントマネージャー

岩本 剛仁氏

内藤 典靖氏

ヤマトロジスティクス株式会社
メディカルロジスティクスカンパニー
プレジデント

内藤 典靖氏

見学者が絶えない羽田の新名所となった、ヤマトグループの「羽田クロノゲート」。羽田空港に隣接し、 2013年10月の稼働以来、 24時間365日稼働してきた。通常の物流業務に加え、お客様が行う出荷作業などの各種付帯業務も組み合わせて行うことで付加価値を高め、物流の最適化を実現している。
その羽田クロノゲートをはじめ、全国で企業向けの物流ソリューションを提供しているのが、ヤマトロジスティクスだ。中でも同社の事業部門であるメディカルロジスティクスカンパニーは、羽田クロノゲートにおいて、医薬品や医療機器、化粧品などメディカル製品に特化した物流を行っている。また、手術器械などの洗浄・メンテナンスといった先進的なサービスも実施している。
先進的な取り組みを評価し、多くの企業が羽田クロノゲート内に物流の拠点を移している。その中で、ヤマトロジスティクス メディカルロジスティクスカンパニーの荷主企業様となった、ある医療機器メーカーから非常に高いレベルの要望があった。

ヤマトロジスティクスの荷主企業様である医療機器メーカーが羽田クロノゲート内に移設した物流拠点での様子と、羽田クロノゲートの外観

構築から運用まで高い要望に対応

その要望は羽田クロノゲートに商品を入庫した後、オーダーごとに商品をピッキング、検品、梱包し、これまで以上に「短時間で大量出荷」すること。また、「新商品の発売時などでの柔軟な対応」が求められた。物流システムの構築から運用まで、その要望に応えるためには他社の協力も必要と判断し、物流関連サービス企業数社に打診。「最終的にトヨタL&Fの提案が要望を満たしました」と、ヤマトロジスティクス メディカルロジスティクスカンパニー プレジデントの内藤典靖氏は語る。
取り扱う医療機器は、各個人の特性に合わせて形状などが細かく異なるため、1つの商品でも数多くのバリエーションが存在する。「新商品が1つ増えるだけでも、区別して扱う種類はその数倍増えます。スペースの拡張やレイアウトの変更、そして出荷件数の増加への対応が必要でした」(内藤氏)。
物流ではその工程で一カ所でもボトルネックがあると、全体の流れが止まったり、効率が著しく低下したりするため、物流センター全体の流れを意識したエンジニアリングが重要だ。
トヨタL&Fは、トヨタの改善の基本である「現地現物主義」で課題を把握し、 3Dシミュレーションなど最新技術を駆使した提案を実施。さらにはヤマトロジスティクスと荷主企業様である医療機器メーカーとともに、データを共有して分析とディスカッションを繰り返し、仕様を決定。 2015年3月に羽田クロノゲートでの稼働がスタートした。
短時間での大量発送の実現や、労働人口の減少などの今後の社会的課題に対応するには、自動化の設備やシステムの導入が不可欠だが、いたずらに自動化するとトラブル時にシステム全体がストップし、出荷できなくなる不安もある。
そのような有事の際も考慮して、人手で出庫できる仕組みの提案でもトヨタL&Fが評価された。内藤氏は「生命にもかかわる医療流通では、安定供給が必須です。配送を止めない仕組みを新たに導入でき万全を期すことができました」と説明する。

ヤマトグループのスピード配達サービスを担う「Auto-Pick Factory(APF)」。多品種の在庫を上部空間を活用した高層ラックへ自動的に格納しておき、商品をピッキングする作業者の手元に迅速に補充できる

改善の継続で最適化を推進

さらに、トヨタL&Fはお客様の課題をしっかり把握し、物流システムの導入だけでなく運用までを見据えたエンジニアリングカも高評価されている。ヤマトグループのスピード配達を実現するために導入した「Auto-Pick Factory(APF)」の構築の際も、トヨタL&Fの提案が役立った。APFは、BtoCの通販などの大量受注に対して、迅速に出荷できる仕組み。
ここではトヨタL&Fのユニット式バケット用自動倉庫「ラックソーターB」が活用されている。各ロケーションにランプが付いており、出庫指示が出るとランプが光り、出庫数量を表示することでピッキング作業を効率化。また多品種の在庫を上部空間を活用した高層ラックに自動的に格納しておき、ピッキングする商品がなくなると作業者の指示で追加される商品の入った箱が、その自重によって手元に降下する仕組みで補充作業の効率化も推進した。出荷の頻度や量に応じ最適なシステムを組み合わせ、通常では難しいといわれるBtoBとBtoCのオペレーションを同じフロアで実現している。
羽田クロノゲートの設置工事では、トヨタL&Fが現場管理のリーダーシップを発揮し、大きなトラブルもなく稼働できた。ヤマトロジスティクス メディカルロジスティクスカンパニー東日本メディカル主管支店羽田メディカルセンターアシスタントマネージャーの岩本剛仁氏は、「トヨタL&Fさんは、稼働後も継続的に現場に顔を出し、データを確認するなどして、さらなる効率化のための提案を続けてくれています。導入後のアフターサービスにも大変満足しています」と評する。
2015年11月には、トヨタL&Fが相談を受け、IoT(モノのインターネット)を活用した、生産性管理システムを追加導入した。商品のピッキング作業者が持つスマートホンと、作業箇所に取り付けた小型の発信機を組み合わせ作業量などを把握する。データ分析を進め、最適な人員配置やモチベーション向上に利用していく予定だ。
“改善に終わりはない”というトヨタの理念に基づく対応や、岩本氏らが感じ取る「やり遂げる情熱」などから、トヨタL&Fは協業パートナーとして信頼を得て、システムの効率化をさらに進めていく。

生産性管理システムの仕組み。ピッキングした商品を流すレーンに、小型の発信機(赤丸の部分)を設置し、その無線を作業者のスマートホンが受信して、各種情報をシステムに送信。パソコンでリアルタイムに状況を把握できる